2019年4月 千葉御宿町 大波月海岸にてローソク岩と天の川撮影

千葉県御宿町にある大波月海岸で天の川を撮影した。大波月海岸はローソク岩という特徴的な形の岩があり、日の出や天の川が同時に撮れる場所として有名な海岸である。

海岸は南東方向を向いているので、ローソク岩と天の川を一緒に撮影する場合は、天の川が地平から立ち上がり始める2月以降の時期(2月なら明け方前、4月中頃なら1時~2時頃、夏なら日の入り後)である必要がある。レンズの画角によっては岩と天の川が入らないので、事前にシミュレーションしておくとよい。参考に、簡単に星の動きを簡単に見積もれる無料ソフト「Stellarium Web」の使用方法をこちらに記載する。

撮影地とアクセス

大波月海岸までは、電車の場合はJR外房線「御宿駅」で下車し、そこから徒歩で30分程度かかる。車の場合は、海岸へ続く小道の入口にある駐車スペースを利用する。駐車場から海岸へは細い道を抜ける必要がある。道がぬかるんでいる場合があるのと、海岸へ降りるためまでに岩場があるので足もとへの注意が必要。また夜は動物の鳴き声も聞こえた。

撮影機材

カメラ:ニコンZ6

レンズ:シグマ 20mm f1.4 DG HMS Art

撮影した写真の紹介

当日は満潮が午前1時頃であり、撮影は岸壁の岩の上ですることとなった。干潮時(午前4時頃)には水位はだいぶ下がり砂場まで降りることができた。非常に暗く足もとが見えないので足が水に浸かる想定で装備をしておくのが望ましい。また1日に2回来る満潮と干潮の時刻も確認しておけるとなお良い。

図1は海岸を前景に天の川を撮影した様子である。焦点距離20㎜の画角では天の川がすぐにフレームアウトしたため、ローソク岩を前景に天の川を撮影した(図2、図3参照)。

大波月海岸と天の川
図1.大波月海岸と天の川(f1.4, ss 20sec, iso1600, 20mm)

使用レンズであるシグマ 20mm f1.4 DG HMS Artの性能評価のため、図2と図3は異なるF値で撮影している。図2はF1.4、図3はF2.0での撮影となる。サジタルコマフレアの影響でどちらの写真も画面の端では星が肥大化している。図2(F1.4)と図3(F2.0)の右上端をピクセル等倍で切り出し並べた写真を図4に示す。図2(左:F1.4)と比較し図3(右:F2.0)では収差がだいぶ抑えられていることがわかる。

ローソク岩と天の川
図2.ローソク岩と天の川(f1.4, ss 20sec, iso1250, 20mm)
ローソク岩と天の川
図3.ローソク岩と天の川(f2, ss 20sec, iso2500, 20mm)
サジタルコマフレア比較
図4.f1.4(左)とf2(右)のサジタルコマフレア比較

日の出前の薄明となり空が青くなってきたので南西方向の海岸と共に天の川を撮影した(図5)。周囲が明るくなってきた記録として南東方向の様子と南西方向の様子をそれぞれ図6、図7に示す。図5、図6、図7は当日の干潮の時刻頃の様子である。砂場が確認できるまでに水位が低下していることがわかる。また海岸は断層模様がはっきり確認できる場所であることも分かる。

薄明の天の川
図5.薄明の天の川(f2, ss 10sec, iso2500, 20mm)
大波月海岸と朝焼け
図6.南東方向、明け方の様子(f3.2, ss 1/20sec, iso320, 20mm)
大波月海岸と朝焼け

図7.南西方向、明け方の様子(f4, ss 1/400sec, iso250, 20mm)

まとめ

大波月海岸で天の川を撮影した。南方面は光害もなく暗いので非常に良い撮影スポットである。ただし風が強く、撮影地はすぐそばまで波が寄せる海岸であるので、余裕があれば日中に下見しておいてもよいかもしれない。また干潮時にしか行けない場所もあるので潮の満ち引きの時刻も事前に調べておくと散策を楽しめる。

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