山梨県の精進湖にて、富士山を前景に星景撮影を行った。富士山から立ち上がる星の日周運動、湖面のリフレクション、明け方に立ち上がる天の川の様子を撮影したので紹介する。
アクセス
撮影場所は精進湖の北西部(以下のグーグルマップ周辺)の湖畔とした。湖畔に駐車できるため機材を運びこむ必要がなく、また寒い時期でも撮影しやすい場所である。テント設営可能エリアは常に開放されており出入りは自由だが、繁忙期における混雑時の場所取り等は禁止されてるとのこと。詳細は精進湖観光情報サイトを参照のこと。
撮影した写真の紹介
まず富士山から立ち上がる星の軌跡を撮影した。焦点距離100mmでの撮影だったこともあり、軌跡の長さを稼ぎやすかったため比較明合成ではなく長時間露光にて撮影した。図1の写真は焦点距離100mmで513秒の露出である。低いISOで撮影したことでノイズ感なく撮影できている(ただし後述するように、飛行機の軌跡が映り込みやすい方角なので長時間シャッターを開けての撮影はあまりお勧めできない)。撮影機材はカメラ:ニコンZ6,レンズ:シグマ100-400mm F5-6.3 DG OS HSMである。
風が無くなる時間帯には星を湖面に写すことができた。その様子を図2に示す。撮影機材はカメラ:ニコンZ6,レンズ:ニコンNIKKOR Z 24-70mm f/4 S。
図2の条件で撮影した画像41枚を比較明合成したものを図3に示す。さそり座心臓部アンタレスの赤色が湖面に良く反射している。
なお図3では、南側に向けて撮影しているので飛行機のナビゲーションライトが映り込んでいることがわかる。図3の写真は約20分間の露光に相当するがその間に2機通過している。その他の写真を見返しても1時間半程度の露光で9機の通過が確認できたので10分に1機の頻度で通過している模様。そのため長時間シャッターを開ける場合は気を付ける必要がある。
明け方近くには天の川が立ち上がってきた。その様子を図4に示す。撮影機材はカメラ:ニコンZ6,レンズ:シグマ 20mm F1.4 DG HSM Artである。M16(わし星雲),M17(オメガ星雲),M8(干潟星雲)などの天の川銀河中心部の星雲が映り込んでいることが確認できる。ただし天の川の高度が低く光害の影響が大きかったことと、東の空も明るんできた時間帯であったことから、現像で天の川を強調処理することは難しかった。もう少し時期が進めば天の川も明瞭に撮影できると思われる。
まとめ
南方向の市街の光の影響を受けるので地平線付近は空は明るく残念だが、天の川中心部がさらに立ち上がる夏頃の時期であれば十分天の川を撮影することは可能と思われる。湖面へのリフレクションも狙いやすいので夜以外の時間帯での撮影にも適した場所であった。また関東からの車のアクセス、撮影のしやすさも非常に良く気軽な撮影地としておすすめできる。