2019年10月 奥日光湯ノ湖にてアンドロメダ銀河撮影&戦場ヶ原散策

栃木県の奥日光で夜間の星空撮影、および戦場ヶ原を散策した。

アクセス

JR日光駅からバスで湯本ビジターセンターへ行き、近くの湯本キャンプ場でテント設営をし撮影の拠点とした。夜間は湯ノ湖湖畔で星空の撮影をし、日が昇ってからは戦場ヶ原を散策した。

湯ノ湖湖畔にて星空撮影

湯ノ湖北側に位置する湯本キャンプ場近くの湖畔から湯ノ湖を撮影した。南方面は日光市街の明かりがあり、光害が大きい。この日は風が少しあり完全なリフレクションは得られなかった。当初は空を雲が覆っていたが次第に流れていき時々晴れ間が見られたので晴れている場所を見つけて撮影した。

湯ノ湖北側湖畔から南方向を撮影
図1.湯ノ湖北側湖畔から南方向を撮影
湯ノ湖北側湖畔から南東方向のオリオン座を撮影
図2.湯ノ湖北側湖畔から南東方向のオリオン座を撮影

19:30頃は撮影地点の湖畔の西側が晴れたため外山にかかる天の川を撮影した(図3)。はくちょう座付近の赤いHα領域も確認できる。

湯ノ湖北側湖畔から西側を撮影。外山と天の川・夏の大三角。
図3.湯ノ湖北側湖畔から西側を撮影。外山と天の川・夏の大三角。

天頂付近が晴れた際にはアンドロメダ座付近のM31アンドロメダ銀河を撮影した。M31の位置をStellarium上で示した様子を図4に示す。M31はアンドロメダ座β星ミラク、アンドロメダ座α星アルフェラッツ、カシオペア座α星シェダルの中間付近に位置する。撮影地からは肉眼でもぼんやりM31を確認することができた。

M31の位置
図4.M31の位置

M31の撮影結果を図5に示す。以下の条件で撮影・合成処理をしている。

・設定:赤道儀(Vixen ポラリエ)による追尾 / ISO10000, f6.3, 露出70sec×16枚を加算平均合成

・画角:焦点距離400mm

・機材:ニコン Z6,シグマ 100-400mm F5-6.3 DG OS HSM

図5からはM31の伴銀河であるM32, M110も確認できる。図5は焦点距離400mmの画角の写真であるが、同じ画角で撮影した満月と比較しても、満月の5倍ほどの大きさに銀河が広がっていることがわかる。(400㎜で撮影した満月の大きさについてはこちらを参照)

M33 アンドロメダ銀河
図5.M31アンドロメダ銀河

天の川・M31と同じく局部銀河群の一部であるM33(さんかく座銀河)も近くだったため撮影しようとしたところで天頂部は雲がかかり始めたので夜間の撮影は終了とした。M33の撮影は別の機会に挑戦した(後述図12参照)。

戦場ヶ原散策

夜が明けてからは戦場ヶ原を散策した。光徳入口あたりから散策路に入った。広大な湿原は背の低い白樺が生えており現在林への遷移過程にある状態とのこと。

戦場ヶ原と白樺群
図6.戦場ヶ原と白樺群

散策路の途中で泉門池という湧水池に着く。透明度が高く水中の藻が良く見える。

泉門池
図7.泉門池
戦場ヶ原散策路途中のカラマツ林
図8.散策路途中のカラマツ林
湯川
図9.湯川

湯川沿いに散策路を歩くと水流が激しくなり竜頭の滝にたどり着く。

竜頭の滝と虹
図10.虹がかる竜頭の滝

竜頭の滝からは路線バスでJR日光駅に戻り帰宅した。

まとめ

紅葉の時期かつ比較的天気の良い日に星空撮影、戦場ヶ原散策が楽しめた。地平線付近は光害が多少あるが、天頂部は天体観測には非常に適した場所であることが判明したので天気の良い新月期にまた訪問したい。

追記:再訪しM33さんかく座銀河を撮影(2020年11月)

2020年11月に再訪した際にM33も撮影したので紹介する。M33の位置をStellarium上で示した様子を図11に示す。M33はアンドロメダ座β星ミラクを挟んでM31アンドロメダ銀河の反対側、さんかく座のそばに位置する。

M33の位置
図11.M33の位置

図2は焦点距離400㎜でM33を撮影した様子である。赤道儀による追従精度が良くなかったため星が少し流れてしまっているが、渦巻いた腕の構造が良く確認できる。

M33 さんかく座銀河
図12.M33さんかく座銀河
ニコン Z6 + シグマ 100-400mm F5-6.3 DG OS HSM(f6.3, 400mm, ISO10000, ss60sec 23枚を加算平均合成)

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